こんにちは。
新人職員の指導に、悩んだり、つまずいたり、思ったように進まないことはないでしょうか。
今回は、
著者 宇田川元一
【他者と働く ~「わかりあえなさ」から始まる組織論~】
新人職員の指導や関係性の構築について、4つの段階に分けて
お伝えしていきたいと思います。
介護現場で新人職員を指導する立場にある人や、リーダー職はぜひ読んでほしいです。
第一段階:準備【溝に気づく】
新人職員に仕事を教えていて
伝えたつもりが伝わっていなかった。
教えたつもりが、出来ていなかった。
このようなこと、今までに経験ないでしょか。
新人職員を指導する時などに、よくあることだと思います。
自分の思いが相手に伝わらない事ってありますよね。
新人職員の仕事に対する態度や覚えが悪いと言ってしまえばそれまでですが、
仕事の覚えが悪いのは新人職員のせいなのか、
また、先輩職員の教え方が悪いのか、
まずは、お互いの関係性を見直すことが大切になってきます。
第一段階として、準備「溝に気づく」とは、
新人職員と先輩職員の間に溝があることに気づくことが、第一段階です。
溝とは、
お互いの価値観や考え方の違いと言えます。
例えば、
新卒の新人職員には、
長い学生生活の中で、教えてもらって当たり前という感覚があるのかもしれません。
そのため、教えてもらっていないことは、できずに手持ち無沙汰になっていることもあるでしょう。
いわゆる指示待ちの状態ですね。
先輩職員からすれば、
忙しいのに、ただボーッとしてもらっては困りますし、
わからないにことがあれば聞いてほしいと思うかもしれません。
お互いの考え方や価値観に大きな溝があるのがわかると思います。
第二段階:観察【溝の向こう側を眺める】
【溝の向こう側を眺める】とは、相手をよく観察し知ることです。
相手をよく観察する際に
- 何に関心があるのか
- どのような責任を感じているのか
- どんなプレッシャーを感じているか
- また、それはなぜか
などと考えてい見るといいでしょう。
ここで大事なのは、自分自身の感情や思いは一旦、脇に置いておくことです。
客観的に、少し距離を置いて、一人の人間として新人職員を観察することです。
良い・悪いの判断や、仕事ができる出来ないの判断をするのではなく、
相手をよく観察し知ることが大切です。
新人職員に対して、
仕事に対する姿勢が悪い、
仕事を覚えるのが遅いなどといった評価のままだと、
仕事という課題をこなしていくのが困難になります。
仕事に対する姿勢が悪い、覚えるのが遅いのはなぜなのかを考えること大切です。
それは、その人個人に由来するところが大きいでしょう。
個人的な今までの生活歴や育ってきた環境からくるものもあると思います。
新人職員について観察し、知っていくことで、
仕事に対する姿勢が悪い、覚えるのが遅い理由について、
理解していくことが出来るかもしれません。
第三段階:解釈【溝を渡り橋を設計する】
第一段階で、溝があることに気づき
第二段階で、溝の向こう側を眺めて観察し知ることをしました。
第三段階では、
溝に橋を架けていきます。
橋を架けるには、
まずは対岸に渡って、対岸までの距離や、対岸がどのようになっているのかを知る必要があります。
また、対岸からこちら側を見てみる必要があります。
そのため、
新人職員の教育の場面で言うと、
新人職員から
私たち指導する職員がどう見えているのか
介護現場である職場をどのように感じているか
を考える必要があります。
具体的には、
新人職員との対話の中で、探っていく必要がありますが、
私たち先輩職員が、
新人職員だったころどうでしょうか。
慣れない職場に入ってきて、
「みんな忙しそうに働いていて、声がかけずらい」
「何をしていいかがわからず、手が止まってしまう」
「ミスしたり、失敗したりして迷惑かけないか不安になる」
など、
様々な感情があると思います。
新人職員との対話の中で、
新人職員を知り、どのようなアドバイスや、声を掛ければいいかを考えていいきます。
第四段階:介入【溝に橋を架ける】
新人職員の事を、自分なりに理解をして、
新人職員を指導する中で、どのような方法が良いかを考え、
実際に、実践していきます。
つまり、溝に橋を架けて
新人職員と新たな関係性を築いていくことになります。
ただ、うまくいかないこともあります。
掛けたはずの橋が崩れてしまうこともあると思います。
そうなった場合も、新人職員と対話をし、
新たな橋を架けなおしていきます。
まとめ
介護の業界は、常に人手不足と言われていて、
職員の入れ替わりの多い職場もあります。
その中で、現場では即戦力を求められ、
新人職員に対しても、仕事ができるかできないかといった基準で
評価されたりもすることもあると思います。
今回のこの4つの段階の中で、
一番重要なことは、
第一段階の準備と第二段階の観察にあると私は考えます。
新人職員を職場の駒とし考えるのではなく、
立場や経歴に関係なく向き合い、対話をしていくことが大切です。
単なる職場の人員として考えていただけでは、
なかなか、職場には定着しないでしょう。
相手を知り、新たな関係性を築きながら、
新人職員が成長していけるよう手助けをして良ければと思います。
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