こんにちは。
施設介護歴14年、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士のひろゆきです。
バイステックの原則についてご存じでしょうか。
バイステックの原則は、対人援助職の基本となる考え方で、7つの原則があります。
介護職も、対人援助職と言えます。
バイステックの原則では、クライエントやケースワーカーといった名称が出てきますが、
クライエントは利用者、要介護者ということもできると思います。
ケースワーカーは、介護職、ケアワーカーともいえるでしょう。
今回は、7つの原則のうちの一つ「秘密保持」について説明していきたいと思います。
秘密保持とは
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介護の仕事は、利用者の生活全般を支えることですが、
生活の中には、個人的な場面や、プライバシーに深くかかわることもあります。
その際に、個人的な情報を第三者に漏らしてしまうことは、
利用者の不利益になり、傷つけることになります。
そのため、対人援助職には、利用者の事、情報について、
外部に漏らさないように秘密を保持する義務が課されています。
これは職業倫理にかかわるところです。
また、利用者の生活を支援する上で、
利用者と介護職の信頼関係を形成するためにも、
秘密保持の考え方は大切です。
秘密保持と情報の私物化について
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秘密保持をする理由として、
職業倫理として、またクライエントと信頼関係を形成するために必要だと述べました。
では実際の現場ではどこまで秘密保持が行われているのでしょうか。
介護の仕事では、
利用者の介護の場面で、知り得た情報を記録に残すことがあります。
介護記録を残す理由の一つとして、
「他の職員と情報を共有し、次のケアに繋げるため」があげられますが、
この場合は、秘密保持に違反になるのでしょうか。
個人が知り得た情報を、他人に漏らすことになるのでしょうか。
バイステックは以下のように述べています。
介護現場でいうと、
利用者が、一人の介護職に伝えた情報は、その施設全体に伝わることを暗黙に了解している。
ここで、「集団としての秘密保持」という考え方が出てきます。
つぎの二つの根拠を述べています。
一つは、
介護職は、個人ではなくその施設の職員として利用者に関わっているということですね。
二つ目は、
特に、介護の仕事は一人では成立しません。
チームで利用者を生活を支えていく必要があります。
そのため、利用者についての情報を共有し、効果的なケアを提供していくことが大切です。
利用者から得た情報を一人が抱えるような「情報の私物化」は避けなくてはなりません。
また、バイステックは以下のように述べています。
多くの人に情報の共有が行われたとしても、情報を共有した人全員に秘密保持の義務が課されます。
「集団としての秘密保持」の指針について
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知り得た情報は、共有したものに秘密保持の義務が発生します。
集団での秘密保持については、バイステックは以下のように述べています。
また、
集団としての秘密保持の指針を作る際に、
情報を共有する範囲をどの範囲までにするかを決める必要があり、
管理者が方針を作り責任があると述べています。
次に、
としています。
つまり、情報をどこまで伝えるかについて、
客観的な規準や第三者による評価が必要だと述べています。
そして、外部に情報を伝える場合は、
と述べていて、必要に応じて利用者に情報の開示について許可を得る必要があります。
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難しく考えずに、
まずは職場の個人情報の扱いについて上司に聞いてみても良いかと思います。
秘密保持が適用されない場合
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クライエントの情報や秘密を保持し漏らさないことは重要ですが、
バイステックは以下の場合は秘密保持が適用されないと述べています。
- クライエント自身がもつ、より高いレベルの義務
- 他者の権利
- ソーシャルワーカーの権利
- 社会福祉機関が持つ権利
- 地域社会の権利
つまり、
クライエント自身が持つ義務が果たせない時、
あるいは、
他者、ソーシャルワーカー、社会福祉機関、地域社会の権利が侵害されるときには、
秘密保持の原則は制限されるということです。
「2.他者の権利」においてバイステックは以下のように述べています。
あまりない事だと思いますが、
クライエントが、法に触れるような相手を傷つける行為を行った場合に、
援助者は、秘密保持の義務を守るべきではない。
しかるべき場所に、報告する必要があるのだと思います。
ただし、
「明確な証拠が現れるまでは、クライエントの権利を優先すべきである」
とバイステックは述べています。
秘密に、重い軽いはない
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バイステックは、クライエントの持つ秘密について
と述べています。
つまり、クライエントの秘密のほとんどは、些細なことです。
ただ、クライエントにとっては、重要なことで、
クライエントが秘密にしてほしいものを秘密保持しなければならないということです。
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秘密の内容に重いや軽いはないということです。
まとめ
秘密保持について述べてきました。
介護職として、
利用者から知り得た情報は、秘密保持する義務がありますが、
自分が所属する組織に、その情報を共有し、
効果的なケアやサービスに繋げていく必要があります。
自分だけが持っている情報があるというのは望ましくないでしょう。
ただ、組織にも「集団としての秘密保持」が課されます。
職場の方針などを確認してみても良いかもしれません。
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