介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士などの福祉の国家資格の試験で、出てくるバイステックの原則ですが、
これは、対人援助の仕事をする上で基本的となる姿勢を示したものです。
原則は7つあるのですが、
その一つの「意図的な感情表出」について、
私のとんでもない誤解と本当の意味について説明したいと思います。
私の誤解
「意図的な感情表出」と言われて、どう感じますか。
はじめてこの原則を学んだ時、
援助者は意図的に感情を表出するのかと思い、
場面に応じて、意図的に泣いたり、怒ったりするのかと考えていました。
でも、援助者がそんなことするのか?
うその演技で、クライエントの前で
泣いたり、怒ったりするのかと不思議に思ったものでした。
実はそうではなく、
「意図的な感情表出」とは、
意図的にクライエントが感情表出しやすくするという意味だったのです。
援助者が、意図的に感情を表出させるのではなく、
クライエントに感情を表出させるという意味で、
とんだ誤解をしていたのでした。
そんな、誤解をしたのは私だけではないはず。。。
本来の意味
バイステックの「ケースワークの原則」には、
ケースワーカーは、
クライエントの感情表現を妨げたり、非難するのではなく彼らの感情表現に援助という目的を持って耳を傾ける必要がある。
そして、
援助をすすめるうえで有効であると判断する時には、クライエントの感情表出を積極的に刺激したり、励ますことが必要である。
とあります。
次に、
クライエントは感情を表出することにより、
緊張や圧力から解放され、
本当の自分を取り戻していく力や、
問題解決に取り組む力をもつことが出来るようになる
と書かれています。
怒りや悲しみなどの感情を爆発させた後、
スッキリすることってありますよね。
そこから前を向いて生きていくことが出来たりもします。
意図的に感情を表出することは、
本来の自分を取り戻す機会であり、
新たな問題に取り組むきっかけになるのかもしれません。
私たち、対人援助職は、
クライエントの感情を邪魔することなく、
感情の表出を支援し、新たな援助の関係を構築する機会にすることが大切なのかもしれません。
まとめ
試験勉強の際に覚えたバイステックの7原則、
単なる暗記ではなく、実践の場でも生かせるものにしないといけません。
「意図的な感情表出」について、誤解していた方は少なくないのではないでしょか。
「意図的な感情表出」だけでは、
誰の感情なのか、意図的にするのは誰なのかわかりにくですよね。
これを機に、しっかりと意味を覚えて、
実際の対人援助の際に役立ててほしいと思います。
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