自己決定の先にあるもの【バイステックの原則】自己決定する際の注意点について

介護の知識等

こんにちは、施設介護歴14年、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士のひろゆきです。

福祉の国家試験では必ずと言っていいほど出題されるバイステックの原則ですが、

7つある原則のうちの一つ「自己決定」について説明したいと思います。

自己決定とは?

クライエントが、自ら抱えた問題を、自己決定し解決してくことです。

援助者が問題を解決するのではなく、クライエントが問題を解決していくことが求められます。

援助者に求められる態度

援助者は、クライエントが問題を解決するための自己決定を尊重し、

利用できる適切な資源やクライエントの能力を活用するように援助することが大切です。

なぜ自己決定が必要か

バイステックは以下のように述べています。

クライエントは、選択と決定を自由に行使できるときにのみ、社会的に責任を持ち、情緒的に適応しながら、人格を発達させてゆくのである。
 

つまり、

自己決定を通して、人格を発達させていく=成長してくということです。

例えば、

子どものころは、保護者の保護のもと生活をしていました。

大人になるにつれ、自分の人生において選択することが増えていきます。

学校を卒業すると、進学するのか、就職するのか、など自分自身で選択しなければないりません。

どういう生き方をするのかを、自分自身で自己決定し、選択していくことになります。

自己決定することにより、社会的な責任い、精神的にも適応していくことが求められるでしょう。

成長するためには、自己決定が必要になってきます。

保護者に言われたままに育ってきた子どもは、

精神的にも社会的にも未熟な場合が多いのではないでしょうか。

ただ、バイステックは以下のようにも述べています。

ワーカーは、クライエントの持つ能力を超えてまで自己決定するように強いるべきではない。しかし、ワーカーがクライエントの能力を勝手に決めつけてよいというものではない。
 

また、

ワーカーは、クライエントは積極的かつ建設的な決定を行う能力を持っているという仮定を持って、援助を始めるべきである
 

と述べています。

クライエントが、ある問題に対して自己決定する能力が足りない場合は、

自己決定を促すべきではない。

だからと言って、援助者が勝手に決めても良いわけでもなく、

自己決定する能力を持っていると仮定して、

クライエントに向き合っていく必要があるということです。

具体例で言うと、

認知症を持っている方に当てはめるとわかりやすいかもしれません。

このことについては、事例で説明したいと思います。

自己決定する際の注意点

1.自己決定の尊重は、クライエントに一種の駆り立てを生じさせる。

2.自己決定の促しが責任転嫁になる。

3.自己決定に期待をほのめかし、自己決定を操作する。

4.援助者の迷いを早く解決したいなどの思惑がないか。

まとめ

自己決定の援助は、

自己決定するまでの過程を支えるものであり、援助に葛藤し、試行錯誤する力である。

そのために豊かな選択肢が保証させなければならない。

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